ケガをしたときは、自分でもできる応急処置「RICE」を覚えておくと便利です。ケガをして早期にRICE処置をおこなうことで、内出血や腫れ、痛みなどを緩和することができ、損傷部位の障害を最小限に抑えることができるため、回復を助ける効果があります。ただし、あくまでも応急処置であって治療ではありませんので、処置後はすみやかに専門機関を受診しましょう。
覚えておきたい応急処置RICEとは?
RICE処置とは、肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急処置方法。Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました。
ケガをしたら、まずは安静に保つことが大切です。安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。むやみに動かすと悪化してしまう可能性があるので、患部にタオルや添え木などを当てて固定します。
患部を氷や氷水などで冷やします。体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。ただし、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、氷を氷のうやビニール袋に入れて患部に当て、20〜30分ほど冷やします。ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態になったら、一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します。そのあと再び氷を当てましょう。これを何度か繰り返します。
患部にテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。
患部を心臓より高い位置に保ちます。血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。患部の下に座布団やクッション、たたんだ毛布などを敷くとよいでしょう。
症状別RICE処置方法
捻挫
関節をつなぐ靭帯や血管を傷つけた状態で、関節が腫れ、内出血で皮膚が変色したり、動かなくなったりします
- 冷水や氷嚢等で冷やし、包帯や三角巾で固定します。
- 足や膝の場合は、体重をかけないようにします。
- 患部を無理に動かさないようにします。
- 寝違えやギックリ腰も捻挫に含まれる場合があります。
- 氷を使って冷やす場合、直接皮膚に乗せずに、タオルなどを敷くようにしてください。
打撲
強くぶつけたり、誤って物を落としたり、ちょっとした打ち身でもなかなか痛みがとれないことがあります。
- 患部を安静にします。
- 痛みや内出血を軽くするために患部を冷やします。
- 軽く考えないで受診しましょう。
- 氷を使って冷やす場合、直接皮膚に乗せずに、タオルなどを敷くようにしてください。
挫傷
運動中や運動後に、急に筋肉にしこりができたり、動かすと痛んだりします。筋肉の組織が切れ、その中の血管や筋繊維も切れて生じる症状です。
- 直ちに水や氷で冷やします。
- 手足の場合は、包帯等で患部を固定してください 。
- 氷を使って冷やす場合、直接皮膚に乗せずに、タオルなどを敷くようにしてください。
脱臼
関節がはずれることで、顎・肩・肘・指に良くおこります。
- 包帯、三角巾で固定してください 。
- 絶対に無理に戻そうとしないでください。
- 早急に専門の処置が必要です。
骨折
骨折の目安として
- 腫れる
- 形の変化
- 皮膚の色の変化
- 動かしたり、触れると激しい痛みがある
- 動かせない
- 患部を安静にします 。
- 副子(添え木)を当てて固定します。
- 副子は雑誌・段ボール・新聞紙等で代用できます。
- 早急に専門の処置が必要です。